9月26日 鬼怒川

鬼怒川.JPG

 もう、秋と言ってもよい季節になってきた。いよいよ採るものがなくなってくる。前回八重山に行って、来月もまた行くことになっているが、その間、1か月も空いてしまう。そこで、今まで行くかどうか迷っていたもののうち、栃木のツマグロキチョウにチャレンジしてみることにした。もちろん、ただのツマグロキではない。前翅の先端の黒い部分が黄色くなってしまうというものだ。爪黒くないツマグロキチョウというわけだ。そして、栃木県の鬼怒川近辺では、その出現率が高いのだ。けれど、結局はただのツマグロキだ。もし、目当てのものが採れなければ、他にこれといった副産物がない。そして、そのあたりは、シルビアシジミの産地として、他のところと同様にトンチンカンな保護を訴えていて、採集禁止場所を設けてあると言う。私はシルビアには興味がないが、その場所がはっきりしないこともあり、採集中に注意を受けたりしたら気分が悪い。そんなこんなで、今まで行ってなかったのだが、今回、やっと行く決心ができた。
 家を7時前に出て、東京駅7時40分過ぎの新幹線で宇都宮まで行く。始発だし、大荷物もないので、着いたときに乗れるやつに乗ればいいやという、ファジーな計画だ。そこから乗り換えて氏家まで行くのだが、いい加減に乗ったので乗り換え時間が30分もあった。これは失敗か。それでも、9時30分ころには氏家に着いて、そこからタクシーでポイントまで向かう。この辺までいってくれと言うと、車1台がやっと通れるくらいの土手道を進んで、目の前まで連れて行ってくれた。料金は1600円ほど。
 そこから歩いて河川敷へ行く。その辺はすべてポイントなのだ。ツマグロキはたくさんいると聞いていたが、見回しても黄色い蝶は飛んでない。あたり一面、黄色だらけという光景を想像していたので、ちょっとがっかり。それでもほどなく黄色い蝶を見つけてネットする。ただのキチョウだ。正確にはキタキチョウ。八重山でもそうだが、わざわざキタキチョウとかミナミキチョウとかタイワンキチョウなどと、今までは書いていない。八重山では3種ともいるし、ネットして確かめないと区別できない場合が多い。だから、キチョウとしか書かないのだ。まあ、ここにはミナミキチョウやタイワンキチョウはいないけど、それなら逆にキタキチョウとわかりきっているので、わざわざ書かなくてもいいだろう。
 いないと思っていた黄色い蝶も、歩いていくとポツリポツリと飛び出す。それを次々ネットして確かめていくが、みなキチョウばかり。それでも、5つ目にやっとツマグロキが入った。ノーマル個体だが、なんだか、この先採れるか不安になったので確保。けれど、さらに採っていくと、3つに1つくらいはツマグロキが入る。
 それにしても、キチョウとツマグロキはほとんど採ってみないと区別できない。他にモンキチョウも飛んでいたが、これは飛び方で区別できる。ただ、ツマグロキの中でも裏面が赤みがかったやつは、飛んでいるときから区別できる。この赤みにしたって、もっと赤いやつがいるのだが、そういうものはなかなか採れない。それでも、全く赤みのない個体と比べれば色の違いははっきり分かる。

ツマグロキ比較.JPG

 そんな感じであちこち歩き回るが、なぜか食草であるカワラケツメイがない。やっと1か所だけ見つけたが、大きな群落ではない。こんなものでなぜツマグロキがたくさん発生できるのだろう?
 他の蝶はと言えば、ウラギンシジミとツバメシジミとウラナミシジミがたくさんいる。コミスジとイチモンジチョウも時々飛ぶ。イチモンジはよく見たらアサマイチモンジだった。たまにベニシジミやモンシロチョウも飛ぶ。アカタテハとヒョウモンも飛んだが、ヒョウモンの種類まではわからなかった。

コミスジ.JPGアサマイチモンジ.JPG

 そして、2時間。さすがに飽きてきた。初めのうちは、採集禁止区域に入らないよう、気を使っていたが、歩き回っているうちに、自分がどの辺にいるのかわからなくなってきた。禁止区域も、表示があるわけではなく、堺がわからない。どこへ行っても、河川敷の荒れ地が広がっているだけだ。
 最後は、帰り道の氏家大橋の方に歩いていくことにした。もちろん、その途中も黄色い蝶はチェックしていく。そんなとき、また一つシジミが飛んだ。それまでにチェックしたシジミはみなツバメシジミだった。明るい空色のものはすぐわかるが、ちょっとくすんだものは、一応種類を確認していたのだ。それらはみな飛び古したツバメシジミだったが、だが、そのときのものはまたちょっと変わった気がした。ネットしてたしかめたものはミヤマシジミだった。見ると、近くにはコマツナギがけっこうある。この辺にはミヤシがいるのかぁ、とあたりを探してみたが、残念ながら他には見つからなかった。それでも、いることを確認したのでよしとしよう。

ミヤマシジミ.JPG

 そして、12時。もういいや。気温は高くないが、それでもずっと日に当たっていると結構疲れる。
車通りの多い道でタクシーが来たら乗ろう。それまでは駅に向かって歩いて行こう。駅まで歩いても1時間はかかるまい。
で、結局、駅まで45分、タクシーは1台も通らなかった。それまで2時間、荒れ地を歩き回って、だいぶ足が痛くなっていたが、そこからさらに駅まで舗装路を歩いたら、もうしんどかった。いやあ、運動不足が露呈するなあ。
 1時前の電車で宇都宮へ。そこから新幹線で東京へ。家に帰ったのは3時。近いものだ。
 結局、狙っていた爪黒くないツマグロキは採れなかった。チェックした数は50くらい。うち、10くらいを持ち帰った。その中に、ややその傾向がある、という程度のものが2ついただけだった。

ツマグロキ(ちょっと黄色).JPG

 でも、まあ、やはり蝶を追うのは楽しい。次は10月中旬の八重山。今度も楽しめたらいいな。

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