6月5日~10日 与那国

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 沖縄の梅雨入りは早い。たいてい5月には梅雨入りする。この時期は前線が沖縄本島あたりに停滞するのだ。ところで、八重山は沖縄本島より南西にある。しかも、かなり距離が離れている。だから、沖縄本島が梅雨入りしたと言っても、八重山は晴れていることがあるのだ。しかも、前線に向かって南から風が吹くので、この風に乗って迷蝶が入ってくるようになる。けれど、もちろん梅雨時でもある。出かけてもずっと雨ということもある。そうなると当然、蝶は飛ばない。だから、この時期にでかけるというのは、ちょっとしたギャンブルでもある。ヘタしたら、1週間滞在しても全部雨、ということも有りうる。そして、今回はこの賭けに勝ったようだ。本島は雨予報が続いているが、八重山は晴れ予報が続いているのだ。しかも、迷蝶の情報も次々と入ってくる。よし、今回は当たりを引いたようだぞ。楽しめそうだ。

 5日

 今日は移動日。
 昼前に羽田に着いてラウンジで昼食。1時過ぎの飛行機で那覇へ飛ぶ。モノレールで移動して宿にチェックイン。すぐに近くのスーパーで夕食を買ってきて、あとは部屋でくつろぐだけ。
 夜はサッカー日本代表の強化試合、トリニダード・トバゴ戦。おいおい、格下相手に引き分けかよ。
翌日に備えて、早めに就寝。

 6日

 5時半に起きて、6時にチェックアウト。モノレールの始発で空港へ。ラウンジで朝食を食べ、7時過ぎの直行便で与那国へ。
 8時半に与那国到着。S條さんは石垣に行っているとのことで、空港には奥さんが来ていてくれた。空港に停めてあった車で与那国ホンダへ。そこでバイクを借りて宿へ行く。いつものパターンだ。けれど、今回はすぐに部屋に入ることはできなかった。宿の従業員がほとんど入れ替わっていて、私を知っている人がいないのだ。たぶん、一番の常連である私に対して、普通ならそのくらいのサービスはあるのだが、知らないものだから、マニュアル通りに早めにチェックインする場合は○○円が必要です、なんて言う。しょうがないなあ。その場で荷物を詰め替えて、すぐに採集へと飛び出す。ところが、いつもとパターンが違ったためか、日焼け止めを塗るのを忘れてしまった。ま、いっか。まだ真夏ではないので大丈夫だろう。
 まず、いつもの通り、新川線を流していく。思ったより蝶の数は少ないが、がっかりするほどではない。そのまま進んでいると向こうから一人の虫屋が。千葉のS藤さんだ。何日か前から来ているそうだ。さらに進むと、今度はY口さんと遭遇。こちらはいつも情報を共有しているので、少し前から来て2週間ほど滞在すると聞いていた。
 そこから宇良部へと進む。これもいつものパターンだ。しかし、今回は花が少ない。当然のように蝶も少ない。いつもは一番のポイントになるところだが、今回はダメみたいだ。鞍部を進むとそこには石垣のI野さんがいたお客さんを案内しているらしい。邪魔はしたくないし、蝶も少ないのですぐに下山する。
 再び新川線を走り、今度はイランダ林道に行ってみる。最近は草刈りが頻繁に行われ、よいポイントではなくなってしまったが、今回は多少センダングサが残っている。これは時々覗いてみてもいいな、と思いながらバイクを進めていると、そこでウスコモンマダラを発見。あわててバイクを停め、吸蜜中のそいつを難なくGET。よしよし、初っ端から縁起がいいぞ。

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 次に比川林道へとバイクを走らせる。ここもよい花場が広がっているのだが、なぜか蝶の数は少ない。そのまま久部良岳へと行く。入り口で今度はカワカミシロチョウを発見。それまでにもそれらしい蝶は見ていたが、遠目だったので判別できなかったが、今度は間近で見たので間違いない。今までいくつも採っているので無視してもいいのだが、まあ、1つくらいはいいだろう。採ってみるときれいな個体だったので確保する。

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 さらに上っていくと、そこにY口さんがいた。コケが滑るので歩いて登っているようだ。上まで登ってみたが、あまり蝶がいない。いつもならシロミスジやメスアカムラサキが占有行動をしているのだが、その姿もない。あきらめて下に降りる。
 そこからナーマ浜へ行く。途中の花場もいい感じなのだが、やはり蝶は少ない。モンバの木をチェックしたが、ヒメアサギが少し来ているだけだ。
 さらにMFPへ行く。草刈りされていてダメ。比川へ抜けて、また新川線へ、そしてアギンダへ向かう。けれど、アギンダのタンク道は草刈りされてダメ。ハイビスカスポイントも蝶が少ない。
 また、移動して宇良部へ上る。誰もいなかったが、蝶もいない。迷蝶が入っているのだから、吹き上げられて溜まっていてもいいと思うのだが、なぜか蝶自体が少ない。
 イランダへ移動して昼飯。朝から行動しているので、昼飯までにずいぶん走ったなあ。
 午後になると蝶の数はかなり減ってしまう。それまで見てきた中で一番マシなイランダ入り口に陣取ってしばらく粘ることにする。樹上にはわずかに木の花がさいていて、少しだけ蝶が来ている。迷蝶がいないかと見ていたら、コモンタイマイが舞っているのに気付いた。花に来ているのではないが、そのあたりを優雅に舞い続けている。コモンタイマイと言えば速く飛ぶので採りにくい蝶だが、これだけゆっくり飛んでいれば採りやすいかもしれない。5m竿を伸ばしてみるが、あと少し届かない。花にとまってくれれば採れるのだが、と思うのだが、とまる気配がない。長竿をたてかけ、短竿をもって花場を見て回る。タイワンシロチョウが今回は多く見られる。きれいなものを少し採っておく。

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 そこの花場には比較的蝶が多く、ヒメアサギマダラが一番多い。ルリ系マダラがいたのであわてて近づいてみるとツマムラサキマダラだった。もちろんこれも迷蝶であるが、与那国以外の八重山ではすっかり定着して普通種になっているし、与那国でもいくつも採っている。いまさら採る気はおこらない。コモンタイマイは姿を消したり、また現れたりを繰り返しているが、そこから離れないようだ。けれど、どうしても下に降りてこないので、諦めて移動する。
 また、比川林道から久部良へと抜ける。何も現れない。ぐるりと回って、また同じ場所に戻った。やはり一番蝶が多いのはこの場所らしい。ところが、そのころになって腕がチリチリと痛くなってきた。やはり、日焼け止めを塗ってないので、かなり日焼けしたらしい。
 長竿を伸ばしてたてかけ、また短竿を持ってあたりを見渡す。と、そこへ1台の車が停まり、中の人が話しかけてきた。どこかで会った気がするなと思っていたら、京都のKさんだった。採集はしない写真屋さんだ。イワカワシジミを撮りたくて朝の便でやってきたそうだ。1泊したかったが宿が取れなかったので夕方の便で帰るそうだ。イワカワなら、それらしき蝶が木の花に来ていたと教える。ついでにコモンタイマイも飛んでいると伝えると、その写真も撮りたいと言う。けれど、なにしろ止まってくれないので、飛翔中を撮るしかない。アップにするとなかなかファインダーに収めるのが難しいし、ピントをオートにするとタイムラグが生じて、撮れないと言う。採るのも撮るのも難しい蝶だ。
 私に採らなくてもいいのかと、申し訳なさそうに聞いてくるが、私はこの蝶にそれほど固執していない。以前、たくさん採っているからだ。それでも、久しぶりの発生だし、採れたら採っておこうというくらいの感じだ。Kさんは何度もチャレンジして、いくつかはファインダーに収めることができたようだ。イワカワを撮りにきて、コモンタイマイが撮れたと喜んでいる。私も喜んでもらえれば嬉しい。
 その後3時半ころまで粘ったものの、コモンタイマイは低い所へは降りてこず、まだ写真を撮りたいKさんに別れを告げて、宿に帰ることにした。
 夜はY口さん、S藤さんと一緒に夕食。そしてS條邸へ。S藤さんは翌日の朝、帰るそうだ。
 10時ころまで蝶談義。宿に戻って11時過ぎに就寝。疲れていたのですっきり寝付くことができた。

 7日

 朝、少し雲が多い。それでも迷蝶の期待から8時半には宿を出る。まず、昨日と同じコモンタイマイのいた場所に行ってみる。見上げると、やはり飛んでいる。こいつ、この場所から離れないのか?朝なら降りてくるかもしれないと思ったが、やはり上空を漂うだけだ。
 仕方ないので近くの花場を見ていく。と、またルリ系マダラが。これはツマムラではない!急いでかけつけネットしてみるとマルバネルリマダラ。台湾型だし、かなりボロだが与那国産なので確保する。これで今日も迷蝶を確保することができたな。

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 マルバネのことをY口さんに報告すると、めまいがするので今日は休養すると返信が返ってきた。S藤さんも今朝帰ったし、I野さんも昨日帰っているはず。となると、今日の採集者は私だけか。独り占めだな。
 けれど、そのころから雲が厚くなり、遠雷も聞こえてきた。どっと降り出したら嫌なので、イランダに移動する。ここには東屋があるので、降ってきたら避難できる。東屋の近くで蝶を探すが、暗くなったせいか蝶はみな引っ込んでしまった。そしてついにポツポツ雨が落ちてきた。やはり来たか、と東屋に避難する。けれど、雨はそれ以上ひどくならない。ポツポツ程度なのでそのまま活動することもできる。が、蝶が出てこないのではしょうがないので、しばらく待機。遠雷は南の方から西の方に移動している。久部良の方を見てみると、西側は煙っている。あっちは雨だろう。

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 1時間近くその場で待機して、やっとうっすら明るくなってきた。バイクにまたがり、宇良部へと向かう。雲が西にあるので、東へ行くほど明るいと思ったからだ。けれど、宇良部はやはり蝶が少なく、まだ日が差していないこともあって、ほとんど何もいない。
 仕方ないので新川線を流すことにする。そしてしばらくすると、なんとか日が差してきた。そんな中、アンガイミドゥチでエヤエマムラサキを発見。ヤエムラは昨日も見かけたが、今度のやつは白帯型だ。この型は少ないので確保。これもY口さんに報告すると、単なる白帯型ではなく、ツマジロの要素もあり珍しいタイプじゃないかと言われた。なるほど。そこまで詳しく見ていなかったが、言われてみるとその通りだ。こりゃ、いいものが採れたぞ。

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 このころには天気はすっかり回復し、強い日差しが差すようになった。すると、昨日日焼けした腕がヒリヒリと痛み出した。今日はしっかり日焼け止めを塗っていたのだが、一旦ダメージを受けたところは、日焼け止めを塗ってもダメなようだ。日陰にいるときは大丈夫だが、日向に出ると痛み出す。できるだけ日陰で過ごすことにする。
 そうこうしているうちに昼近くなり、比川に昼飯を買いに行く。共同売店に行ってみたが、ろくなものがない。パンも売り切れ。売店の子に何かないかと尋ねると、楓食堂でサンドイッチを売っていると教えてくれた。さっそく行ってみると、昼飯にはちょうどいいサイズのものを売っている。こりゃいい。いいものを教えてもらったぞ。
 そのまま宿に戻る。日に当たると腕が痛くてたまらないのだ。宿で昼飯を食べ、タオルを切って縫い合わせ、即席のアームカパーを作る。長袖を持ってきていれば問題ないのだが、今回は半そでしか持ってきていないのだ。
 2時まで休んで、午後の部に出かける。もちろんアームカバーをつけて。水で濡らせばさらに気持ちがいいが、バイクで走っているとすぐに乾いてしまう。それに、布1枚あるだけで痛みは全くない。
 腕を気にしなくてよくなったので、気分良くあちこち走り回ったが、コモンタイマイとカワカミシロチョウ以外の迷蝶には出会えなかった。
 4時まで頑張ったけど、何も出てこないので終了。今日は疲れたし、Y口さんもめまいで休養と言っていたので、S條邸はお休みにする。

 8日

 5時半に目覚めてしまった。まだ外は薄暗い。と思ったら曇り空だった。しかたないので起きだして、読書などをしてヒマをつぶす。7時に朝食をとり、あとは採集に出るだけだが、相変わらず曇っている。これでは蝶もあまり飛ばないだろう。日が差してくるのを待っているうちに9時になってしまった。
 まずはいつものイランダ入り口に行く。相変わらずコモンタイマイが樹上を飛んでいる。ずっと同じ個体がいるのだろうか?それとも次々と入れ替わっているのだろうか?どうせ、他の所に行ってもここより蝶の数は多くないだろうから、しばらくはそこで粘ることにする。
 見ているとコモンタイマイが木の花で吸蜜しているのに気付いた。それなら5m竿で届くかもしれない。竿を構えて、届くところにある花の脇で待機する。が、そうやって構えていると、そこにはやってきてくれない。じれていると、いきなり目の前に別のコモンタイマイが現れた。短竿を持っていたら、たぶん採れただろう。しかし、そのとき持っていたのは長竿だ。慌てて短竿に持ち替えたときには遠く離れてしまった。ちくしょー。チームでおちょくっているのか?
 同じところにいると飽きるので、またあちこちを回ることにする。イランダ、比川林道と回って、ドナンに行ってみる。ここもセンダングサが少なくダメかと思っていたら、頂上近くの花に何頭かの蝶が集まっていた。その中にコモンタイマイもいる。こいつは短竿でも届きそうだと思ったのだが、やはり飛ぶのが早く、振り逃がしてしまった。それにしてもコモンタイマイはかなり数を増やしているようだ。
 またイランダ入り口に戻って、そこでしばらく粘る。しばらくすると石垣のA木さんがやってきた。今日やってくるという話は聞いていた。情報を伝えて別れると、今度はS條さんがやってきた。最近はあまりフィールドに出てこないが、このところ迷蝶が採れているので店をさぼってきたのだろう。少し話をして、近くにあるタイワンオガタマの木を教えてもらう。コモンタイマイの食樹だ。これだけいるのだから卵や幼虫がついてないかと思ったが、見つからなかった。
 S條さんと別れた後、こちらもまた放浪することにする。イランダからアンガイミドゥチまで行き、また新川線を引き返す。そして、昼飯用に買ってきたパンを食べ、またイランダ入り口で待機。そういえば今日はまだ迷蝶を採ってないな。今まで毎日(と言っても2日間だけど)採っていたのに、今日はヌルになるのか。そんなことを考えていたら、1時ころになって曇ってきた。今日は洗濯もしなければならないし、午後になると蝶の数も減るので、もう終わりだろうか。
 最後にイランダを一回りして終わりにしようと思い、走っていると、シロウラナミシジミを発見。前回、石垣にはたくさんいて、わざわざ採ることもないと思っていたものだが、今日はまだ迷蝶を採ってないこと、与那国では珍しいこと、そしてメスだったこともあり、確保。尾突が一つないけどやむなし。

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 宿に戻って、しばらく休んでいたら2時ころになって雨が降ってきた。こりゃもう終わりだな。それ以上やることを諦め、風呂に入り、洗濯する。雨はすぐやんだようだが、まだ曇りは続いていたので、やめて正解だったろう。プロ野球を見ながらのんびり過ごす。
 夜はS條邸へ。Y口さん、A木さんだけかと思ったら、名古屋のK子さんも来ていた。フィールドでは会わなかったが、やはり今日やってきたようだ。
 10時に宿に引き上げる。

 9日

 まる1日使えるのは今日が最後だ。そして、午後になればチャンスは少なくなるのはわかっている。それなら少し早めに行動しようか。そう思って8時から開始する。
 例によってイランダ入り口に陣取る。ここはコモンタイマイの蝶道になっていることもわかった。こいつにはずっとおちょくられている気がするので、まずなんとか採ってやろう、と考えた。左右、どちらからやってくるかわからないので、道の真ん中に立って、両側を見張る。思った通り、5分に1回くらいの感じでコモンタイマイが現れる。けれど、なかなかネットの届くところに来ない。何度かネットを振ったもののすべて降り逃がし。
 それでも、もちろん他の蝶にも気を配っていたら、いきなりミナミコモンマダラが現れた。こいつはコモンタイマイと違ってのろいので、なんなくGET。ちょっとボロいが、この風なら絶対に入るはずだと思っていたので、やっと採れたかと安心する。

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 その後も2時間以上、コモンタイマイにチャレンジしたが、どうしても採れない。さすがに諦めた。これだけいれば、今後も増えるだろうし、次に来た時に採ればいい。
 コモンタイマイを諦め、イランダ、アンガイミドゥチ、新川線、ドナンと回るも成果なし。そこから比川林道に行くとA木さんを発見。近寄って話を聞くと、ミナミコモンを10くらい採ったと言う。えええー!私も1つは採ったが今日になって大量に入ってきたらしい。採れたのはみな島の西部だと言う。私はずっと東部にいたが、今回は西部に偏って採れているようだ。しまった。出遅れたか?
 A木さんと別れて、比川林道を西へ進む。すると、ほどなくウスコモンマダラを発見。ミナミではないが、やはり西部の方が迷蝶が集まっているのか?

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 さらに久部良岳に登る。迷蝶が入っているのなら、ここに集まっているかもしれない。だが、探してみてもいなかった。
 下におりて久部良方面に向かう。すると、三石のあたりでやっとミナミコモンを発見。さらに私が以前マダラシロチョウを採ったあたりでまたミナミコモン。久部良の県道に出る手前でもう一つ。やはり大量飛来したようだ。

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 さらにナーマ浜に向かうと、A木さんとK子さんがそろっていた。2人とも10以上採っていると言う。すごいなあ。私は数はそんなにいらないから、そんなに採ろうとは思わないが、それでも見つけたら採ってしまうだろう。なんかうらやましい。
 しばらくナーマ浜で過ごし、その後、比川で昼飯を買おうとそちらへ向かう。すると、そこへY口さんと行き会う。聞くと、ミナミコモンを5つ、ウスコモン1つ採って、そろそろ終了すると言う。Y口さんもウスコモンを採っているのか。するとどんな風が入ったのだろう?ミナミコモンは南風に乗ってフィリピンから飛んでくる。台湾にはいない。一方、ウスコモンは西風に乗って台湾からやってくる。フィリピンにもいるが、こちらは記録が少ない。斑紋がちがうので区別できるのだ。今回採れたウスコモンは台湾から来たものとわかる。南風主体だが、西寄りの風も吹いたらしい。
 Y口さんと別れ、比川に行く。あのサンドイッチを買おうと思ったのだが、行ってみると店は閉まっている。近くの共同売店に行っても、みな売り切れ。ついでに楓食堂のことを尋ねると、出かけてしいてしばらくお休みになるらしい。残念。今回はもう食べられないな。
 しかたないので、また久部良に戻ることにする。比川林道からさっきと同じコースをたどって久部良へと向かう。途中、ミナミコモンをもう一つ追加。これで5つになった。
 久部良の商店で昼飯のパンを購入。ナーマ浜のベンチであたりを見回しながら食べる。モンバの木にミナミコモンがやってこないかと思ったのだが、30分ほど待っても来なかった。
 また、さっきの道を逆にたどって、迷蝶を探す。しかし、もう昼を過ぎているので、蝶の数はずっと減った。ミナミコモンどころか、ヒメアサギもあまり現れない。
 また、新川線に戻り、そこの花場で探す。コモンタイマイは蝶道が日陰になったためか、現れない。樹上にはやはり飛んでいるが、これは採れないだろうから長竿は出さない。
 やがて2時になり諦めた。夕方になればまた飛ぶかもしれないが、もういいや。後は宿でまったりと過ごそう。
 この日はサッカーの試合があるので、S條邸には行かない。エルサルバドル戦。2:0で勝ったけど、もっと点を取ってほしかったなあ。

 10日

 いよいよ最終日。11時半の飛行機に乗るので、10時までできる。8時から活動開始したが、残念なことにドン曇り。たまにポツリと雨粒も当たる。
 まずはイランダ入り口に行ってみるが、やはりこの天気では蝶はほとんど飛ばない。日が当たらないので、コモンタイマイの蝶道もない。
 また、比川林道を通ってナーマ浜へと向かう。けれど、この天気なのでやはり蝶は少ない。ミナミコモンも見つからない。
 ナーマ浜のモンバの木をチェックしていると、一人の蝶屋がやってきた。誰かとおもったらM村さんじゃないの。昨日やってきたそうだが、私はさっさと引き上げてしまったため、会わなかったのだ。S條邸で昨日の報告をまとめたところ、昨日だけでミナミコモン58頭が採れたらしい。A木さんとK子さんは20以上、コモンタイマイにかまけて、しかも早帰りした私と、午前中で切り上げたY口さんが5つずつ。遅れてやってきたM村さんが4つだと言う。迷蝶はこのように突然やってくることがある。そして、また突然いなくなる。今回は滞在中にちょうどタイミングがあったのだ。ラッキー。
 しばらく話をして別れたが、もう時間は10時近い。諦めだな。
 宿に戻って、すでにまとめてある荷物をもってチェックアウト。与那国ホンダにバイクを返却し、空港に送ってもらう。
 11時20分の那覇行きに乗り、12時55分の羽田行きに乗り換えて3時50分に到着。東京は雨だった。しかも寒い。
 雨のためか、時間が遅いせいか、高速は渋滞し、なぜか地下鉄も止まっていて、JRは大混雑。遅れも出ていた。雨なので駅からタクシーにしようと思ったら、こちらもなかなか来ない。結局、自宅に帰ったのは6時だった。やはり、もう少し早く帰った方が楽だなあ。
 それにしても、今回は大当たりだった。ウスコモンマダラ2、ミナミコモンマダラ5、マルバネルリマダラ1、ヤエヤマムラサキ白帯型1、カワカミシロチョウ1、シロウラナミシジミ1、そして、おまけのタイワンシロチョウ2ペア、これが今回の蝶果だ。これだけの迷蝶を一気に採ったのは今回が初めてかもしれない。十分に満足できる結果だ。
 でも、まだ天気が回復すれば迷蝶は採れ続けるだろう。残っているY口さんやM村さんは。もっといいものを採るかもしれない。満足しているはずなのに、なぜかうらやましい気持ちも残っている。しょうがないなあ。

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