5月7日8日 広島

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 5月の上旬だと、まだ採れる蝶は限られている。一番に思いつくのはやはりギフチョウだが、ギフは前回を含め何度か出かけているし、そろそろ別の蝶を狙いたい。そんな中で、この時期に採れるものの一つとして、サツマシジミの春型がある。今までに夏型は採ったことがあるが春型はまだない。ところが、この蝶は西日本にしかいない。そして、同時に採れる副産物がない。しかも、誰に聞いても、ここへ行けば確実だという場所を知らない。そんな状況では、ただ、サツマだけのために不確かな状況で、高い交通費払って行くのもためらいがあった。だが、H本さんは確実な場所を知っていると言う。そして、まだかなり残っているマイルを使えば、交通費もほとんどかからない。これなら、もし採れなくても1泊旅行を楽しんだと思えばいいだけだ。天気予報を確かめ、GW明けの空いている時期に予約を入れた。また、H本さんのお世話になる。あとは、サツマをGETするだけだ。と、思っていたら行く2日前、体調を崩してしまった。また、いつものやつか、と思ったのだが、どうもちがう。背筋がぞくぞくする。あ、これ風邪だ!そうなったら安静にするしかない。もしかしたらドタキャンするかも…とH本さんに連絡を入れ、布団に潜り込む。しばらくするとじわじわ熱くなってきた。よし、いいぞ。暑くてたまらないが我慢してダラダラ汗をかく。たまらなくなって布団から出た時にはかなりすっきりしていた。これは私の風邪対処法だ。さて、翌日の朝、熱はさがっているか?

 7日

 5時半に目が覚める。まだ少し眠気は残っているが熱はなさそうだ。よし、これならいけるぞ。支度はしてあるので、6時に家を出る。地下鉄、リムジンバスで羽田には7時過ぎに着く。ラウンジで朝食をとり、8時40分の飛行機で広島へ。
 10時過ぎに着いたとき、H本さんはすでに来ていてくれた。さっそく車に乗り込み、40分ほどでポイント到着。軽自動車がかろうじて通れるくらいの道を抜け、停めっぱまで行くと、そこにはS藤さんも来ていてくれた。ここはS藤さんのお勧めポイントだそうだ。
 橋を渡り、沢沿いの道を登っていく。結構な急坂で、たいした距離ではないのに息が上がってしまう。もう、いつでも飛びそうな雰囲気だ。と、ルリ系シジミを発見!沢のはずれの水場に吸水に来たようだ。ロッドを伸ばして掬い取ってみると、まちがいなくサツマシジミだ。しかし、残念。ちょっとだけカケがあった。けれど、この調子ならいくらでも採れそうだ。一発目ではあるがリリースする。
 さらに上っていくと、行き止まりにはきれいな滝があった。アクセスとCMがしっかりしていれば結構な観光スポットになりそうだ。白糸の滝というそうだが、この名前の滝は日本にいくらでもありそうだ。けれど、そこは少し暗くてポイントにはなりそうにない。

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 また、引き返していくと、セセリが飛んだ。採ってみるとダイミョウセセリ。西日本のものは東日本のものとはタイプがちがうので、確保しておこう。
 さらに降りて、初めサツマを発見したところまで戻る。そこで、S藤さんがいるよと教えてくれる。とまっているのをすくおうとすると飛んでしまったが、なんとか空中キャッチ。これはきれいだったのでもちろん確保。やはり春型は大きいしきれいだなあ。

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 そのあと、H本さんがこっちにいるよ、と呼ばれ、そこでもう一つGET。みんな私のために助けてくれる。私は自己採集派なので、人が採ったものは受け取らないのをわかっているから、自分で採らずに教えてくれるのだ。
 しかし、後が続かない。着いてすぐに見つかったため、たくさんいるものだと思い込んでいたのだが、実際にはあまり数は多くないようだ。ちょっとカケてたとは言え、最初に逃がしたのはもったいなかったか。
 飛ばなくなったので、場所を変えることにする。車まで戻り、S藤さんとはそこで別れる。S藤さんのお宅はこの近くなのだそうだ。
 途中、コンビニで昼飯を買い、次に向かったのは二河峡というところだった。ここも観光地で、いい感じの渓谷になっている。
 車を停め、河原に降りる。その水際の湿地にサツマが吸水に来るそうだ。ただし、その場所は午前中のポイントで、昼になると日陰になってしまい、ダメになると言う。なるほど、着いたときにはほとんど日陰になっていた。
 昼飯を食べながら飛んでくるのを待つ。するとしばらくすると、一つ飛んできた。水際にとまったので、上からかぶせようとするとネットが濡れてしまう。躊躇しているうちに飛ばれてしまったが、なんとか空中キャッチ。これで3つになった。
 しかし、その後はいくら待っても飛んでこない。近くを歩き回ってみたが、ツツジの花にカラスアゲハとミヤマカラスアゲハが来ているだけだった。
 基本的に蝶がよく飛ぶのは午前中だ。午後になると飛びが悪くなってしまうのはサツマも同じようだ。全然姿が見られなくなってしまったので、H本さんの誘いで自宅におじゃますることにした。
 彼の家で、今年採ったギフの標本などを見せてもらい、3時過ぎまでのんびり過ごさせてもらう。その後ホテルに送ってもらう。H本さんは自宅に泊るように言ってくれるのだが、私はホテルに泊まるのが好きなのだ。
 風呂に入り、夜は近くのファミレスで夕食をとり、あとは読書やテレビを見ながらまったりと過ごす。さいわい風邪は悪化することなく、治ったようだ。

 8日

 6時過ぎに起床。7時に朝食をとって、約束の9時までのんびり過ごす。
 9時少し前にチェックアウトして、宿の前でH本さんを待つ。そして、そこから昨日の二河峡に向かう。そこからは10分もかからない。とてもよい天気でいかにも飛びそうな感じだが、放射冷却で気温は低い。この後どんどん上がってくるだろうが、まだ15度くらいしかないだろう。
 昨日と同じ河原に降りて、飛んでくるのを待つ。けれど、やはり寒いのだろうか?全然飛んでこない。H本さんによると、いいときには次々に飛んでくるそうだが、今日はだめなのか、今年がハズレ年なのか、あるいは年々数が減っているのか…。
 また、近くを散歩がてら探索してみる。けれど、何も蝶は飛ばない。かなり離れた吊り橋の方まで行ったとき、H本さんから飛んだよと連絡が来た。けれど、遠くまで来てしまったので、すぐに駆け付けるわけにはいかない。それでも飛び始めたのかもしれないので、元の河原に戻る。途中で一つ発見したが、近寄る前に見失ってしまった。それでも飛び始めたのは確かだろう。
 河原に戻って、入れ替わりにH本さんが探索に出かける。私は河原で飛んでくるのを待つ。けれど、全然飛ばない。

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 10時になり、諦めることにした。ふたたび白糸の滝に向かう。
 途中、コンビニで昼飯を調達し、昨日と同じ場所へ。そこで現れるのを待つが、なかなか現れない。やっと一つ見つけたが、ロッドがギリギリ届かないところで、しかも1回とまるとなかなか飛び立たない。やはり気温が低いのか?ちょっと脅かして飛んだところを採ろうと思ったら、空振り!そして、高い樹上へと飛び去ってしまった。
 その後、またH本さんが発見して教えてくれたのだが、今度はノイバラの上にとまっている。ふつうの草なら草ごと薙ぎ払えば採れるところなのだが、ノイバラではネットがひっかかってしまう。これも脅かして飛び立たせるしかない。が、今度はネットの届かない奥の方へ飛んで行ってしまった。なんとも運が悪い。
 その後は全然現れてくれない。しょうもないと思いながら、八つ当たりぎみにトラフシジミを捕獲。サツマが採れていれば目もくれないところだったが、お土産が少ないので獲物を増やしたかったのだ。お前、運が悪かったな。

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 やがて、11時半になりタイムアップ。1時15分の飛行機に乗るために、車に戻り、空港まで送ってもらう。H本さん、お世話になりました。
 この日JALは朝からシステムトラブルがあったとのことで、飛行機は20分遅れだったが、その程度ですんでよかった。家には5時ころに帰りつけた。
 1泊2日でサツマだけをターゲットにした、もったいない感じの採集行だったが、なんとか目的は果たせてよかった。数は3つしか採れず、やはり春型は難しいと改めて感じたが、その気にならなければ採れないものだから、それでも満足すべきだろう。ただ、メスはさすがに採れなかった。まだ宿題は残っている。どうしよう。月末にベニカラと合わせてもう一度メス狙いで来る、ということもあり得るかな。

この記事へのコメント

ひかり
2019年05月09日 21:11
サツマ低温期型♂が採れてよかったですね。♀は吸蜜か発生樹を探されるのがよいかと思います。
シオシオ
2019年05月09日 21:19
ひかりさん コメントありがとうございます。
サツマはまだメスには早かったようです。案内してくれたH本さんによると、例年5月中旬ころメスが見られるようになるそうです。発生木も見つけたかったのですが、近くにサンゴジュはなく、食性も広いので特定できないとのことでした。また、探しに行くことになるかもしれません。

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