5月2日~3日 福島

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 もともと、GWに予定は入れていない。せっかくフリーの身なのだから、交通機関は混むし、宿も高い、この時期にわざわざ出かけることはない。けれど、今年はなんと10連休になった。だから、その前後を含めると蝶採りの間隔がすごく空いてしまう。さらに、今年は山菜を食べていない。毎年、ギフのついでに山菜を採って食べるのが楽しみになっているが、今年は時期が早かったため、ギフは採れたけれど山菜はまだ固くて採れなかった。そんなことを考えていると、無性に山菜を食べたくなってきた。しかし、ただの山菜採りではなく、ついでに蝶も追いかけたい。そこで思いつくのは福島のポイントだ。そこはギフは少ないながらも、山菜は豊富なところだ。そこのギフはもう採っているので、ことさら採らなくてもいいのだが、変異型が混じるかもしれないし、最近少なくなったミヤマセセリを狙うのもいいだろう。けれど、この時期、そう簡単に宿は空いてないし、天気だって前半は悪い。どうせダメだろうなと思いながらも宿を探してみると、天気が回復する2日に1部屋だけ空きを発見した。これは天啓か!?すぐに予約を入れてしまった。その場所は無理をすれば日帰りも可能だが、できれば余裕をもって1泊したい。3日のレンタカーを探すと、高かったがこれも空いていた。すぐに予約。あとは新幹線だが、これは自由席なのでなんとかなるだろう。早めにホームで待てば、少なくとも行きは座れるだろう。さて、後戻りはできなくなったぞ。体調に不安がある中、自分を追い込んだ感じになったが、なぜかわくわくが止まらない。
 
 5月2日

 今日は移動日だ。夕方に宿に着けばいい。そのためには2時の新幹線に乗ればよく、その30分前に東京駅に着くとして、家を12時半に出ればいい。けれど、早めの昼食をとって支度をすると、やることがなくなってしまった。少し早いけど、ま、いいか。12時過ぎに家を出たら、1時過ぎには東京駅に着いてしまった。1時間も待たなくてはならない。早めに列に並びたくても、ホームには、次の新幹線の列とその次の新幹線用の列は用意してあるが、私が載る予定の3本目はない。早めの新幹線に乗っても、会津若松行きの電車には乗り継げない。しかも、前の新幹線は全席指定だから、余計な金がかかる。仕方なく、ホームで待つ。
 やっと1本目の新幹線が出ていき、列に並べるようになり、そこから40分さらに待つ。連休中の新幹線とはいえ、これならさすがに座れるだろう。
 そして、やっと車内へ。さっさと一番後ろの3列席の窓側に陣取る。運がよければ、通路側に人が座っても、真ん中席は空いて楽に過ごせるだろう。などと思っていたら、全員乗り込んでも、席はガラガラ。なんのために1時間も待っていたんだ?!
 上野、大宮とさらに人が乗り込んできて、さすがに通路側の席にも人が座ったが、それ以上混むことはなく、宇都宮ではその客も降りて、さらにガラガラになった。
 郡山で磐越線に乗り換える。むしろ、こちらの方が混んでいた。そして会津若松へ。
宿にチェックインして、すぐに夕飯を買いに行き、その後は部屋でのんびり過ごす。この時間が旅の醍醐味だ。

 3日

 前の晩、すんなり眠れたので、朝6時に目を覚ます。朝食は6時半からなので、しばらくベットで読書をして過ごす。
 6時半になったので、朝食を食べに行く。さすがに満室状態なので、食堂もメチャ混み。それでも、一人なら席はなんとかなる。あとは、レンタカー屋の開く8時までを、また読書で過ごす。
 8時10分前にチェックアウトしてレンタカー屋へ。5分前に着いてしまったが、店はもう受け付けてくれた。
 車を借りて西へと走らせる。途中、コンビニで昼飯を調達し、ポイントふもとの停めっぱまで40分くらい。そこから山を登っていく。たいした登りではない。今までに7~8回来ているので、慣れている。が、ちょっと歩いただけで息が切れてくる。やはり、年かなあ。もう、高山蝶の観察なんて無理だなあ。なんて考えながら登っていく。10分少々で尾根に出て、そこからポイントまでさらに10分ほど歩く。
 途中、タラの芽を探して、あの辺にもあった、この辺にもあったと見ていくのだが、それが全然見当たらない。どうやらこの辺のタラの芽はみんなに採られて全滅してしまったらしい。けれど、それ以外の植物の芽吹き具合を見ても、時期はピッタリ、ギフチョウのピークをちょっと過ぎたくらいだと思える。ボロが多くなるだろうが、数は一番増えるころだろう。
 やがて、ポイントに着く。雲が多く、晴れたり陰ったりを繰り返しているが、十分に明るいし、気温も高い。数が多ければ、奥の一番よいところまで行かなくてもいい。このあたりで待っていてもいいなあ、と思いながら、近くのコシアブラをひょいひょいと摘んでいく。タラの木はなくなったが、コシアブラは豊富なところだ。すでに時期が遅く、食べころと思えるものは少ないが、それても少しずつ採っていくうちに、十分な量は採れた。

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 けれど、その間、ギフが飛ばない。ここは当たりはずれの多い場所で、今までにも全く見ない年もあった。けれど、それはたいていフライングだったからだ。こんなに状態がよいのに姿が見えないのはハズレ年なんだろう。確かに、ここのギフはもう持っている。特に追加する必要はないし、今回は山菜を採るのがメインで来たはずだ。だから、採れなくても問題はないのだが、やはり獲物がないのは寂しい。
 一番のポイントまで行ってみる。これまでの経験で、数が少ない年でも、その場所ならかろうじて見ることができた。一度谷へ降り、また斜面を登って鉄塔のある場所まで行く。その場所は切り開かれていた。木々が切り倒され、見晴らしがよくなっていた。そのためにギフが減ったとは思えないが、ポイントは変化してしまったかもしれない。鉄塔から少し降りて、日当たりの良い斜面で待機する。しかし、いくら待ってもギフは飛んでこない。まるで、絶滅してしまったのではないかと思えるくらいだ。けれど、前回来たのは3年前だったが、このときは当たり年で、ギフはたくさん飛んでいた。多少、木が切り倒されたとは言え、わずか3年で絶滅するわけがない。今年はたまたまの大ハズレ年なんだろう。
 さて、こんなに飛ばないとなると、長居することもない。予定を早めて帰ってもいいな。けれど、磐越線の本数は少なく、次に乗れそうなのは12時前。現在、10時半なので、すぐに下山すれば間に合うだろう。よし、帰るか。と、歩き始めるとミヤマセセリが飛んだ。そうか。いくらなんでも引き上げるのは早すぎるし、ミヤマセセリを少し採っておくのもいいな。次の電車は1時20分過ぎ、あと1時間は延長できる。
 しかし、いざ採ろうとすると、こいつはセセリだからやはり速い。何度も振り逃がしてしまう。けれど、やっとの思いで1つ採れた。少しカケているが、この後も採れないかもしれないので、一応確保。

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 その後も何回か降り逃がし、次に採ったやつは、白斑の発達した、ちょっと面白いやつだった。それにしても、ミヤマセセリは最近減っている気がする。考えてみると、これを採ったのは30年ぶりのことだ。

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 ミヤマセセリなんて、以前はギフ採りのジャマになるくらいいた気がする。いつのまにこんなに少なくなったのだろう?ミヤマセセリだけでなく、いろいろな蝶があちこちで少なくなっている。もちろん、開発が進み自然が変化しているためだ。これは、蝶を採ったから減った、などと本気で考えているバカどもがいなくならないと、さらに減り続けるだろう。ほとんど誰も積極的に採ろうとしないミヤマセセリが減ったことを考えれば、採ったから減ったのではないことは誰にでもわかる。蝶を採るな!と文句を言っている目の前で、重機が山を崩していても、そちらには文句を言わないのだから、話にならない。どうせなら、今のうちにせっせと採って、せめて記録だけでもたくさん残すようにした方がいいだろう。
 さて、時間を見ると11時過ぎ。もう、12時前の電車は間に合わないだろう。しかし、次の電車にはまだまだ時間がある。でも、もう飽きてしまった。スマホで経路を再検索してみると、12時40分に郡山行きのバスがあるというのを発見した。それに乗れば1本早い新幹線に乗れる。けれど、電車の切符はもう往復で買ってある。払い戻しはできるのだろうか?
 うだうだ悩みながら、さらにギフやミヤマセセリを待っていたが、11時半になってやっと決心して下山することにした。結局、ギフは1頭も見なかった。くだりは楽なのですいすいと車まで戻り、そこから会津若松への道をたどる。
 道路は渋滞こそしてなかったが、やはり普段より車は多いのだろう。中には遅い車もあるので、思ったより時間がかかる。インターを降りた時点で12時25分になってしまった。さらにガソリンを入れなければならない。車を返却したのは12時35分。そこからバス乗り場まで5分。切符の払い戻しができるかどうかを尋ねる時間はない。しょうがない。諦めよう。
 のんびり駅に向かい、次の電車まで40分ほど待つ。今回は待ってばかりだなあ。
 磐越線に乗って郡山へ、そこから新幹線に乗る。ホームには結構人がいたが、来たときを考えると、意外と空いているかも…、という淡い期待もあったが、やってきた新幹線を見ると、すでに立っている人がたくさんいる。あれま、こりゃ東京まで立ちんぼだ。
 ぎっしり満員の車内なかほどまで進み、立ったまま本を読んで過ごす。すると、大宮で私の立っていた横の人が降りていった。ラッキー。残り半分は座ることができた。
 5時過ぎに帰宅。蝶仲間に報告すると、S谷さんから「そのあたりは2年ほど前に採集禁止になったはずだ」ということを聞いた。えー?!知らんかった。そうだったの?どうも私はこういう情報に疎い。今回は蝶屋を含めて誰にも会わなかったし、禁止の看板もなかったが、気を付けないと、知らなかったでは済まないだろう。まあ、結果的にギフは採れなかったから、問題はないだろうが、今後はもう行くことはないだろうな。いや、今度こそ山菜専門で行くことになるのか。

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