2月28日~3月5日 石垣

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 やっと長いシーズンオフが終わった。今年もまた全国を飛び歩くぞ!まずは、やはり八重山からだ。この時期はまだ本土では蝶が飛んでないのだからしょうがない、ということもあるが、八重山が好きなのでまずここへ行く。けれど、この時期はさすがに迷蝶は期待できない。狙うのは各種低温期型だ。だが、この時期は天気が安定しないことも多い。航空券を安くすることに加え、最近では八重山に人気が出て、ホテルがすぐ埋まってしまうので、早めに予約する必要がある。天気の様子を見ながら…ということはできないのだ。ところが、ここへきて、また少し体調がおかしくなってきた。3年前にひどく苦しめられたやつだ。その後もちょくちょく似たような症例は出たが、長引くことはなく収まってきた。しかし、よりにもよって、シーズン初めのこの時期にまた出てくるとは…。今回も長くは続かないだろうと思ってはいるが、出かける前日になってもまだすっきりとしてない。今回は西表にも行く予定だったが、この調子では船には乗れないだろう。なにしろ、症状のうちの一つが船酔いに似た感じなのだ。船に乗ってさらにひどい状態になったら、採集どころではなくなってしまう。なんとか、この旅をきっかけに快方に向かってほしいのだが…。

 2月28日

 いつものように羽田でY口さんと待ち合わせる。幸いなことに体調はそれほど悪くない。飲み続けている薬が効いてきているのだろうか。ラウンジで昼食をとりながら、今年の計画について話し合う。また、いくつかの採集でご一緒することになるだろう。
 2時過ぎの飛行機に乗って、5時半過ぎに石垣に着く。着いたときはかなりの雨が降っていたが、バスに乗るころにはほとんどやんでいた。離島ターミナル直行のバスに乗り、6時半ころ宿にチェックイン。雨は完全にやんだようだ。すぐに近くのコンビニに行って夕飯を調達し、宿の部屋で食べる。いいホテルだと思っていたが、BSチューナーがついてないのが残念。ノルディックの世界選手権を見たかったんだけどなあ。

 3月1日

 体調はかなりよくなっているが、やはり船に乗るのが不安だったので、西表行きは諦める。7時半ころに朝食会場に行ったが、Y口さんはいなかった。Y口さんは波照間に行くために早めに朝食をとってすでに出かけたらしい。
 さて、西表は諦めたが、天気は悪くない。レンタカーの予約は明日からなので、今日は足がない。しかし、一番近くのポイントにしたって、歩いていくには遠すぎる。明日から予約しているレンタカー屋は、連絡がつきにくいという欠点があり、いきなり電話してもつながるかどうかわからない。そこで、前回H本さんが利用したというところに電話してみた。すると、すぐにつながり、車も空いているという。さっそく9時に来てくれと頼む。
 レンタカーは時間通りに来てくれた。6時間で2500円だから、まあまあだろう。3時には戻ってこなければならないが、だいたいいつもそのくらいには切り上げてしまうし、初日からガンガンやることもない。
 まずは市民の森へ行ってみる。お、意外と蝶の数は多いじゃないか。カラスアゲハ、クロアゲハ、ナミエシロチョウ、イシガケチョウ、スジグロカバマダラ、リュウキュウアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、リュウキュウヒメジャノメといったあたりがたくさん飛んでいる。ああ、いいなあ。珍しいものはいなくても、とても癒される。天気も良く、気温も高からず低からず、とても気持ちがいい。ふだん行かないところまで散策してみた。けれど、結局三角紙をつかうことはなかった。
 そこから嵩田植物園に向かってみる。閉園したという噂を聞いたので確かめに向かったのだ。行ってみると、定休日でもないのに門が閉まっている。門には特に何の看板や張り紙は出てなかったが、やはり閉園してしまったのだろうか?
 そこまで来たので、近くのポイントに寄ってみる。と、そこの花場にたくさんの蝶が飛んでいた。お、ここはなかなかいいじゃないか。いつもは、それほどではない場所だが、今回はすごくいい。これなら、他の場所もいいだろう。とりあえず、そこでしばらく探してみることにする。
 ミカドアゲハとアオスジアゲハが多い。冬から春にかけては異常型が増える。だから、この2種は特にチェックしていった。すると、何頭目かにやっとハンキュウ型をGET。けれど、ボロだったためリリース。

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 さらにいろいろ見ていくと、かなり赤の発達したクロアゲハを発見。アゲハは場所を取るからあまり採りたくない…って、これ毎回のように言ってるな。けれど、完品だし、このレベルならやはり確保しておこう。

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 さらに屋良部へと向かう。と、その入り口で何か小さなシロチョウを発見。車を停めて確かめてみる。ナミエは飛んでいるが、確実にナミエではない。どこへいったのかとしばらくうろうろしていたら、いたいた。なんだ、モンシロチョウではないか。タイワンモンシロではない。ふつうのモンシロチョウだ。けれど、八重山ではモンシロチョウは迷蝶だと思う。タイワンモンシロ同様、春だけ見られるもので、夏場に見かけることは少ない。とはいえ、やはりわざわざ採る気は起こらない。

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 車を進めて、作業道へ向かう。ここはずっとチェーンが張られていて、車は侵入できなかったのだが、前回来たときはチェーンがなくなっていた。今回もない。もう、車が侵入してもよくなったのだろう。だが、途中で何か採れることもあるので、車を入り口に停めて歩いていく。今まで見てきたところは、みな蝶の数が多かったので、ここもたくさんいるだろうとわくわくしながら歩いたのだが、なんと、ここは全くダメだ。蝶はほとんど飛ばない。奥の花場まで行くと、そこには飛んでいたが、今まで見たところより多いとは思えない。少し探索しただけで、さっさと引き上げることにした。
 時間は2時少し前。そこから宿まで30分かかる。となると、あと30分ほどしか余裕はない。帰り道に寄れる万勢展望台に行ってみる。
 ここには、メスアカムラサキやスミナガシがよくテリを張っている。迷蝶の可能性も高い場所だ。しかし、今回は見事に何もいなかった。一応歩いてみたが、端の方の花場もほとんど咲いてなくて、蝶も時折チョロッと現れるだけだった。
 もういいや。諦めて宿に戻る。車を離島ターミナルのパーキングに停めレンタカー屋に連絡し、宿に戻る。Y口さんからもラインが入り、昼の船で戻るとのことだった。蝶は多かったそうだが、お目当てのものは採れなかったそうだ。
 夕方になって、少し頭痛がしたが、それほど体調は悪くない。夜はY口さんとともに岩に食事に行く。A木さんにも声をかけてある。岩には、あとでY中君が与那国から帰ってきてやってくるとの連絡があったので、来るまで待つことにする。やがて、彼がやってきて4人で蝶談義。気づいたら10時になっていた。
 宿に戻り、さっさと就寝。

 2日

 9時にレンタカーが届くということだったが、少し早めになるという連絡がきた。このホテルは駐車場がないので、外で待ち構えていなければならない。あわててしたくをしてエレベーターに乗ると、もう着いたよと連絡がきた。車を受け取り、Y口さんを待ってスタートする。
 今日は平野まで行こうということになっている。けれど、今は天気が悪い。あとになるほどよくなってくる予報だが、走り出したら雨になってしまった。それでも、平野までは1時間ほどかかるので、着いたころにはやむことを期待して走らせる。
 9時40分くらいに平野には到着したが、着いたときもやはり雨だった。平野のバス停は最近作られたものらしく、広くて雨宿りもできるので、そこでしばらく待機する。10時を過ぎて、多少小降りになってきたが、まだ日は差さない。じっとしていても面白くないので、平久保灯台に行ってみることにする。
 灯台に着いても雨は降っていたが、しばらくすると、ようやく雨がやんだ。すると、あたりの草原に蝶が飛び始めた。マサキウラナミジャノメだ。それもあちこちにたくさん飛んでいる。マサキは暗いところにいる蝶というイメージが大きいが、こんな明るい草原にたくさんいるのか。そういえば以前沖縄本島でリュウキュウウラナミジャノメを探した時も、多野岳の草原にたくさんいたっけ。案外、この仲間は明るいところが好きなのかもしれない。
 さらにしばらくすると日も差してきた。よし、ポイントまで移動しよう。
 駐車場所の1kmほど手前でY口さんを降ろし、私は第一水場の駐車ポイントまで行く。と、そこには数人のグループがすでに来ていた。K沢さんが採集案内しているグループだった。この雨の中、先に入ってやむのを待っていたのだろう。あまり競合したくはないが、Y口さんがやってくるまでは待たなければならない。彼らがいないところを少し回らせてもらう。やはり、蝶の数は多い。シロオビアゲハの真っ赤なやつを狙いたいのだが、そう簡単に採れるものではない。もう、何回も挑戦しているがかすりもしない。それでも、探索を続ける。結局、オオシロモンセセリを1つだけ三角紙に収めただけだった。

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 やがて、Y口さんがやってきたので、この場所はK沢グループにまかせて場所を変えることにする。そこから近くのダムポイントへ行く。
 ポイントに着くとまた雨になってしまったが、昼飯を食べているとすぐにあがった。ここはいつもいい感じなのだが、残念なことに花場が狭い。今回はとくに狭くて、その狭いところに蝶が群れているが、普通種ばかりですぐにすべてをチェックできてしまう。
 さらに場所を変える。昨日よかった嵩田のポイントへ行ってみる。それまで見た感じでは、やはりそこが一番よさそうだ。しかし、着いてみると蝶の数は少ない。多少風が強くなったからか?いや、どうも午後になると飛びが悪くなるようだ。夏場は暑くなって休んでしまうと思っていたが、どうも暑さは関係ないようだ。それでも、他の場所よりはマシだろうとしばらく探索する。しばらくしてサンダンカの花にきていたアゲハを撮影していたとき、赤の発達したクロアゲハを発見。当然メスだと思ってカメラを構えたが、フワッと飛んだ時に後翅の白が見えた。え!?これ、オスじゃないか。慌ててロッドを手に取って捕まえる。うん、いい個体だ。裏面にはリング紋が3つ並び、表面にも赤斑が表れている。メスならこの程度のものはそこそこ見つかるが、オスでここまで赤が発達するのは珍しい。もちろん確保だ。

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 Y口さんに見せると、さっき自分が写真を撮った個体ではないか、と言う。メスだと思ったから採らなかったそうだ。失敗したなあと悔やんでいる。ラッキー。気づかれたら先に採られてしまったはずだ。
 しばらくしてまた場所を変え、市民の森へと向かう。ここもまた前日より蝶の数は少なかった。しばらく探索したものの何も追加できず。Y口さんはマルバネルリマダラを採ったようだ。マルバネルリは以前大量発生の場面に出くわしたことがあり、特に採れてもうれしいものではないが、少ないときに見るとつい採ってしまう。そして、自分が採ってないときに他の人に採られるとなぜか悔しい。なんでだろう?
 3時になり終了。夕方まで粘るなんてことはしないのだ。マックスバリューで夕飯を調達して宿へ。今日からは駐車場つきの宿に変わる。部屋も広く、こういう宿でまったりするのも旅の醍醐味だ。けれど。今日も軽い頭痛がする。完全には治ってないようだ。

 3日

 今日は朝から晴れている。K沢グループは今日は他へ行くと言っていたので、改めて平野へ向かう。
 今度は誰もいないので、花場は独占できる。けれど、やはりお目当てのものは採れない。オオシロモンを1つ追加しただけだ。
 奥の水場に行ってみる。いつもなら、そちらの方が狙い目のポイントなのだ。けれど今回はまったくダメだった。暗い樹林内は何も飛んでなくて、花場にも蝶は少なかった。
 諦めて引き返し、明石の花場を目指す。しかし、迷った末たどりついたポイントは全然たいしたことなかった。唯一の収穫はヒマの群落をみつけたこと。もし、刈り取られずに残れば、カバタテハが発生してくれるかもしれない。
 さらに引き返し、昨日も行ったダムのポイントへ。やはり蝶は多いが獲物はなし。そこから、今回まだ行ったことのない山原橋へ行く。が、期待していた花場はなく、ここもダメ。そこから川平へ行く。
 川平は昔はよいポイントだったところが、開発されてダメになったため、滅多に行かなくなってしまった。久しぶりに行って、ついでに私が昔見つけたポイントにY口さんを案内する。そのポイントは変わらず、まあまあであったが、やはりネットを振ることはなかった。
 さらにグリーンパークに移動。ここで、大きくてきれいなウラギンシジミのメスを見つけたが、高いところばかり飛んでいてどうしても採れなかった。
 最後にY口さんが屋良部に行きたいと言うので、しぶしぶそこへ向かう。初日に来てがっかりしたところなので、私には様子がわかっているが、Y口さんはまだそれを知らないのだ。どうしても歩きたいというY口さんを入り口で降ろし、私は車で奥まで行く。奥の花場は多少マシだった。けれど、マダラ類をチェックしてみたが、特にめぼしいものはなし。やがてY口さんもやってきて、納得したと言う。帰りも歩きますか?と意地悪を言ってみたが、さすがに車で戻るとのことだった。
 もういいや。3時前だが終了してしまった。マックスバリューで夕飯を買い、釣具屋によって50cm枠を買う。今使っているものは、そろそろ壊れそうなのだ。
 ホテルに帰ってまったり。やはり少し頭痛がする。

 4日

 明日は帰るだけなので、今日が最終日だ。でも9時ころにのんびりと出発。もう、どこに行っても同じことだろうと思うが、まず一番よいと思える嵩田のポイントに行くことにする。
 だが、それでも1時間もすれば飽きてくる。Y口さんが採ったというオジロシジミの低温期メスを探してみたが、なんとか2つ見つけたもののカケ個体だったアオスジアゲハのハンキュウ、タンノ複合型も見つけたが、紋が小さくて、言われなければわからないほどだ。ちょっと迷ったけどリリース。ミカドアゲハはいくつチェックしても異常型は見つからなかった。
 場所を変えようと嵩田林道を走っていると、親水公園のあたりで若い蝶屋を発見。車を停めて話をする。H林君という学生さんだそうだ。4月から就職するので、その前に八重山に来たらしい。今まで自分たちがいたポイントを教えて、夕食を一緒にどうかと誘う。
 別れてから真栄里林道に向かう。あまり期待できないが、まだ見ていないところだ。案の定たいしたことはなかったが、赤いクロアゲハをネットしたら、ちょっと面白かったので確保。裏面だけだが、赤紋が面白い形に発達していて、尾突がぶっとい。ああ、また、アゲハを増やしてしまった。

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 次に底原に向かう。前に通ったときは大したことなかったが、そのときより天気がいいので、少しだけ見てみる。だが、やはりダメだった。Y口さんは2頭目のマルバネルリを採ったが、しばらく眺めてからリリースしていた。少しカケがあったようだ。
 さらに大里のポイントも覗いてみる。が、やはりダメだった。もう行くところはない。また、嵩田に戻る。と、途中の交差点でさっきのH林君と出会う。お陰様でクロアゲハの赤いやつが採れたと言う。それはよかった。
 入れ替わりで我々もポイントに入る。そこでまず昼飯を食べる。そして、のんびりと探索。けれど、追加は何もないまま時間だけが過ぎていく。そして1時間ほど。飽きた。
 市民の森に向かう。先客が2人いたが、話してみると八重山は初めてだと言う。それなら何を採っても楽しいだろうな。何かとんでもないラッキーが起こらないかと期待したが、そんなドラマティックなことは起らなかった。まだ3時にもなってないが終了。今年の1発目が終わった。
 宿に戻って夕飯の時間までまったり。あ、今日は頭痛がおこらない。最後になって一番いい感じになった。これで体調不良が完全に治ってくれればいいのだが。やはり、蝶採りは一番いい薬なのかもしれない。
 6時過ぎに宿を出て岩に行く。着いたとき、ちょうどH林君もやってきた。ナイスタイミング。9時まで蝶談義。H林君は明日1番の飛行機で本島に渡って、1日だけ採集するそうだ。我々は11時前の飛行機で羽田に戻る。

 5日
 
 7時半から朝食。ここの朝食バイキングはなかなかいい。3日間ともしっかり食べてしまった。また、太りそうだ。
 9時過ぎにチェックアウト。空港駐車場に車を停めて、搭乗手続き。1時間ほど待って羽田行き直行便に乗る。1時半ころ羽田着。Y口さんと別れて、リムジンバスで新宿へ。そこから地下鉄に乗り換え、家に着いたのは3時前。
 早い時間に帰るとラッシュにも巻き込まれないし、家にかえってからも余裕があるので楽だ。
 今回は低温期型がいなくて残念だったが、蝶は多くて楽しめた。次は22日からまた八重山。今度は、迷蝶が入ってきているだろう。まだ採ってないタッパンルリシジミが来てくれるといいなあ。与那国ではコモンタイマイが続いているようだから、タッパンが入ってなくても楽しめるだろう。ああ、帰ったばかりなのに、もう次が待ち遠しい。

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